小説を本にする方法は、大きく3つ
「本にする」と一口に言っても、紙の本を印刷・製本して手元に残す方法、電子書籍やPOD(注文ごとに印刷)でネット書店に並べる方法、新人賞に応募して商業出版を目指す方法があります。どれか1つを選ぶ必要はなく、応募と並行して少部数を作る人も、まず電子で公開してから紙にする人もいます。
| 方法 | 費用の負担 | 手元に残るもの | 向く目的 |
|---|---|---|---|
| 自費出版(印刷・製本) | 著者が制作費を負担 | 紙の本。最少16ページ・10部から(10部単位)(運営会社の場合) | 配る、記念に残す、書店に並べる |
| 電子書籍・POD | 制作費を抑えやすい | 在庫を持たない。紙は注文ごとに印刷 | 少ない負担で公開し、反応を見る |
| 新人賞への応募 | 応募は無料が多い | 受賞すれば出版社が制作 | 作家を目指す。募集要項の未発表条件を確認 |
決める順番:読者、部数、仕様、予算、期限
最初に決めるのは判型や紙ではなく、「誰に読んでもらうか」です。家族や友人に渡す本と、書店で初めて会う読者に買ってもらう本では、必要な部数も表紙の役割も変わります。
- 読者:渡す相手を名前で書き出す。販売するなら、どこで誰が手に取るかを想像する
- 部数:渡す分+保存用+見本。販売分は「届けられる当て」がある数だけ(部数の決め方)
- 仕様:判型・製本・ページ数・表紙。原稿の文字数からページ数の目安を出すと決めやすい
- 予算:売上を当てにせず、負担できる上限を決める(費用の考え方)
- 期限:記念日やイベントがあるなら、完成日から逆算する(流れと期間)
費用と期間の目安
運営会社(お手軽出版ドットコム)の公開ページには、小説の仕様別の料金例が3つ載っています(2026年9月10日確認)。
| 例 | 主な仕様 | 金額 |
|---|---|---|
| 格安で | ソフトカバー A6判、本文モノクロ 120ページ、流通なし 100部 | 約14万円 |
| よくある形で | ソフトカバー B6判、本文モノクロ 200ページ、委託配本 500部 | 約77万円 |
| 少し豪華に | ハードカバー 四六判、本文モノクロ 240ページ、営業+委託 1,000部 | 約154万円 |
金額はページ数・部数・判型・製本・編集や装丁の依頼・校正刷りの回数で変わります。期間は、入稿から約2日で確認用データ(本文レイアウトや装丁デザインを依頼した場合は1〜2週間)、著者校正の終了後、約30日で完成が目安です。
金額は例です。自分の原稿の条件で確かめるには、自動見積もり(無料、何度でも)を使ってください。
準備するもの
- 原稿:最終稿を1つに決め、表記ルールをそろえる。Wordの縦書き原稿でも、手書きでも入稿できます(原稿の準備)
- 書名・著者名:ペンネームで出せます。奥付の発行者表記は相談して決めます(表紙と著者名)
- 紹介文:裏表紙や帯、ネット書店の紹介に使う200〜400字程度の文章
- 表紙の希望:既製型の装丁を選ぶか、デザインを依頼するか、自分で作るか
依頼先を選ぶときに見る点
料金だけでなく、小説の組版の実績、校正の回数、編集サービスの範囲、書店流通の条件、在庫の扱い、契約書の内容を比べます。詳しくは出版社・印刷会社の選び方へ。自費出版全般の基礎(ISBN、契約、POD)は姉妹サイト自費出版ガイドにまとめています。
準備ができたら、出版前チェックリストで抜けを確認しましょう。