テキスト原稿と完全データは何が違うか
テキスト原稿は、本文を渡し、文字の配置やページづくりを依頼するための原稿です。章の区切りやルビの指示は必要ですが、著者が仕上がりの紙面を完成させる前提ではありません。会話や地の文の内容を確定させることを優先します。
完全データは、依頼先の入稿条件に沿って、印刷に使える状態まで整えたデータを指します。小説では、本文だけでなく扉、目次、ページ番号、奥付の配置も関係します。Wordで入力を終えたというだけで、完全データになるわけではありません。
どの形式で受け取れるか、修正を誰が担当するかは、入稿先と確認します。組版を頼む場合も、希望する見た目を示す確認用データがあると便利です。文章の原稿と見た目の見本を区別し、どちらを編集するか伝えてください。
Wordの縦書きはページ設定から試す
以下は、日本語のデスクトップ版Wordで設定する際の操作例です。画面の名称や機能の場所は環境で異なるため、表示が違う場合は利用中のヘルプを確認します。まず複製した原稿で試し、元の文書を残しておきましょう。
- 「レイアウト」から「ページ設定」を開き、文字方向を「縦書き」にします。
- 用紙の大きさと余白を、希望する判型や入稿先の指定に合わせます。
- 本文のフォントと文字サイズを決め、字詰め・行間を調整します。
- 会話の多い場面や章の始まりを表示し、記号や空白の位置を確認します。
用紙の縦向き・横向きと、文字を縦書きにする設定は別です。縦書きになったことを確認してから、見開きで読み心地を見ます。明朝系の本文でも、漢字と仮名の形、記号のつながりまで確かめてください。
ルビと傍点は対象の文字を指定して付ける
ルビは、読みを添える語を選び、「ホーム」のフォントにあるルビ機能で設定します。自動で示された読みが人物名に合っているか、必ず確かめましょう。架空の地名や当て字は、読みを入力して配置の見え方も確認します。
傍点は、強調したい語を選択し、フォントの設定で傍点の種類を選ぶ方法があります。対象語の横に点を手入力すると、改行後に対応が崩れることがあります。機能で設定した場合も、保存後の確認用データで位置を見てください。
組版を任せる場合は、機能で付けたルビや傍点が引き継げるか先に聞きます。難しい場合は、対象語・読み・付ける箇所を別の一覧で指定します。「同じ人物でも初出だけ」など、適用する範囲も明記すると伝わります。
文字数は何を数えた値かを添えて伝える
Wordの「校閲」にある文字カウントなどで、原稿の分量を確認できます。空白を含む文字数と含まない文字数が示される場合は、どちらを使ったかをメモします。扉や目次、あとがきを含めたかどうかも合わせて伝えてください。
改行そのものの扱いは、ソフトの集計方法を確認します。また、改行で生じる行末の余白は、入力した文字数だけでは表せません。会話や空行の多い小説では、文字数が近くても仕上がりページ数に差が出ます。
ルビや注記を本文と別に指定した場合、その分量も補足します。見積もりには文字数だけでなく、章の数や扉の希望を添えましょう。文字数からページ数を考える方法も参照し、試し組みで見通しを立てます。
章別の原稿は読む順番と最新版を明確にする
章ごとに分けると執筆しやすい一方で、入稿時には結合漏れに注意が必要です。ファイル名には作品名、章名、改訂日などを入れ、章の並びを別の一覧にも記します。「最終」「最新版」を重ねた名前は、受け手が判断に迷います。
章末と次の章の冒頭を読み比べ、同じ文章の重複や場面の抜けを確認します。あとがきや人物一覧を追加する場合は、本文とは別の原稿として識別してください。表紙に出す題名と、原稿内の題名が一致しているかも照合します。
変更履歴やコメントには、未解決の修正案が残ることがあります。どの案を本文に採用したかを確定し、担当者に渡す指示だけを整理します。提出後は手元の原稿だけを書き換えず、変更箇所を連絡して版を合わせます。
手書き原稿は判読と順番を確かめて相談する
手書きの小説は、通しの順序が分かるようにし、差し替えや追記の位置を明示します。人名の似た字、くずした文字、余白に書いた会話などを見直してください。読みにくい語は別紙に清書すると、入力する人に伝えやすくなります。
原稿を送る前に、控えを手元へ残します。お手軽出版ドットコムへの相談では、手書きであることを伝え、入力の方法や費用を確認してください。入力後は、句読点だけでなく、段落と会話の順序が原稿どおりかを照合します。
最後に、入稿準備のチェックリストを使って、不足する原稿や指示を確認しましょう。組版を任せる範囲と提出形式が決まれば、それに合わせてファイルを揃えられます。
