自分用に1冊だけ欲しいときは最少部数を確かめる

初めて完結させた小説を、自分の本棚へ置きたいという目的もあります。手元に欲しい数と、サービスへ申し込める数は分けて考えましょう。希望が1冊でも、どの制作方法でその希望を満たせるかの確認が必要です。

お手軽出版ドットコムの案内は、最少10部から、10部単位での制作です。したがって、この条件を「1冊から注文できる」と読み替えることはできません。家族へ渡す予定も含めて必要数を見直すか、制作方法から検討します。

余りを持ちたくない場合は、自費出版ガイドの少部数出版とPODで方法の違いを確認できます。利用できる仕様や最少部数は、候補のサービスへ確かめてください。小説の厚さやカバーの希望も一緒に伝えます。

家族に配る小説は相手と渡す機会を書き出す

家族や友人へ配るなら、まず渡したい相手を名前で書いてみます。同居する家族で共有するのか、それぞれの手元に残すのかも考えます。「親戚に配る」とまとめるより、受け取る人を具体的にした方が数えやすくなります。

創作仲間へ見せる分は、感想を聞きたい人と、記念として贈りたい人を分けて考えます。試読をしてくれた人に完成本を渡す予定も、忘れずに記録してください。渡す意向が決まっている分と、まだ考え中の分を区別します。

配布リストには、相手、必要数、渡す機会、受け取りの確認欄を設けます。郵送する場合は、送り先をどう確認するかも決めましょう。合計に保存用や見本を加えたうえで、申込先の部数単位に合わせて検討します。

保存用・見本・販売用を同じ数に含めない

初めての刊行本は、配っているうちに著者の手元からなくなることがあります。書き込みをせずに残す保存用と、読書会などで使う見本を、先に取り分ける計画にします。家族への贈呈分も、販売する予定の数から分けてください。

小説の見本は、冒頭の試し読みや、作品について話す場で役立ちます。ただし、予定がない用途のために多く積む必要はありません。どんな場で使うかを決め、その予定を支えられる数を考えましょう。

販売分の見込みには、予約や具体的な頒布予定を記録します。「読んでみたい」と言われたことと、購入が決まったことは分けて扱います。希望だけの数字を配布予定に混ぜないことが、部数を決める助けになります。

書店流通を使うなら200部からの条件を確認する

運営会社の書店流通は200部からという条件です。身近な人に配るだけの計画とは、必要な部数の考え方が変わります。著者が受け取る分と、流通へ回す分をどのように配分するか、内訳を相談してください。

この条件は、200部が売れるという見込みを示すものではありません。小説を知ってもらう機会と、読者が購入する方法を合わせて考えます。流通を選ぶためだけに部数を増やす前に、作品をどこで紹介できるかを整理しましょう。

例えば、舞台の地域に関心のある読者へ紹介するなら、その接点を具体的に書きます。創作仲間から広げたいなら、紹介文や試し読みの準備も必要です。詳しい仕組みは書店流通・ネット書店で確認できます。

在庫は次の執筆を妨げない量と管理方法にする

部数を増やす案は、完成した本を置く場所まで含めて検討します。原稿を書く机や資料棚が箱で埋まるなら、受け取る量や制作部数を見直す理由になります。本の判型と厚さを確かめ、保管場所を具体的に考えましょう。

手元の在庫は、保存用、贈呈予定、販売可能な分を分けて記録します。渡した日と行き先が分かれば、同じ人への重複送付を防げます。読書会などへ見本を持ち出した際は、戻したかも確認してください。

流通先に預けた分は、手元の本とは別に残部を確認します。売れた数と預けている数を混同すると、増刷の判断を誤ります。小説を書き続けながら管理できる記録の付け方を決めておきましょう。

増刷条件と流通保障を初版の前に知っておく

運営会社の案内では、増刷は印刷費のみで、1割引、割引額は最大1万円です。初版と同じ内容・仕様で増刷する場合の見積もりを確認します。本文の改訂や表紙の変更も希望する場合は、追加作業の扱いを別に相談してください。

初版を多く作るか迷ったら、あとから必要になったときの対応も比較材料になります。増刷の案内を知っておけば、在庫を減らすために読み手を急いで探す計画を避けやすくなります。増刷に必要な期間は担当者へ確認し、配布や販売の予定に間に合うか相談します。

流通保障は初版後2年と案内されています。これは売上や完売の保証として読むものではありません。保障期間が終わった後の販売継続、残部の引き取り、保管の扱いを確認し、手元へ戻る場合の置き場所も考えておきます。

まず、渡す相手の確定分と保存用・見本を数え、流通を使うか決めましょう。その条件で初版の見積もりを取り、増刷と残部の扱いを合わせて確認します。