書店で注文できることと棚に並ぶことは違う
書店流通を考えるときは、読者がどのように本を探すかを想像します。知人が書名を伝えて注文する場合と、売り場で偶然見つけてもらう場合では、必要な準備が違います。書店向けの商品情報を登録しても、すべての店舗に本が置かれるわけではありません。
流通の説明では、注文の受付、書店への配本、店頭での扱いを分けて確認します。地元を舞台にした小説なら、その地域へ届けたい希望も伝えます。希望の店舗に送れるか、陳列がどう決まるかは、契約前に確認する事項です。
小説は書名だけでは内容を判断しにくいことがあります。推理、恋愛、歴史などのジャンルに加えて、舞台や主人公の置かれた状況を説明できるようにします。流通先へ渡す紹介文は、結末を明かさず読者の関心とつながる内容に整えましょう。
流通の部数とコースは読者への届け方で選ぶ
お手軽出版ドットコムの書店流通は最少200部からで、4コースがあります。コースを選ぶ際は、名称だけでなく、ネット書店での扱い、委託配本、営業の範囲を資料と見積もりで確かめます。各コースの詳細はサービスの案内から相談してください。
販売用と、著者が知人に渡す分を混ぜて数えないようにします。作った本のうち、どれを流通へ預け、どれを手元に置くかを決めます。イベントへ持参したい場合も、その分の受け取りや追加手配を先に確認しましょう。
部数を増やす判断は「たくさん読まれたい」という希望だけではできません。舞台の地域で紹介する機会、創作仲間への案内、書店で注文したい知人などを整理します。売上を約束する材料ではありませんが、販売経路を選ぶための具体的な手掛かりになります。
完成後は商品情報の反映を確かめて案内する
運営会社の案内では、完成から約1ヶ月で書店・オンライン書店のデータベースへ反映されます。これは本が完成するまでの日数とは別です。完成品を受け取る日と、読者へ購入先を案内できる時期を分けて計画してください。
Amazonなどのネット書店に情報が出たら、書名、著者名、書影、定価、内容紹介を確認します。ペンネームの空白や副題の違いでも、読者が迷うことがあります。誤りがあれば、自分で別の商品登録を重ねる前に流通の担当者へ知らせます。
検索で表示されることと、その時点で注文できることも別に確かめます。案内を出す前に購入ページを開き、取り扱い状況を見ます。紹介文の準備は進めつつ、購入先の告知は実際の表示に合わせて行うと、問い合わせへの対応もしやすくなります。
委託配本では配本数を売上として数えない
委託配本は、販売のために本を預ける仕組みです。書店へ送った時点ですべてが売れたことにはならず、売れ残った本が返品されることもあります。配本数だけを見て、同じ量を増刷する計画を立てないようにします。
報告を受けたら、実際に売れた部数、返品、預けている在庫を区別します。小説の紹介を地域の催しに合わせて続けたいなら、販売可能な在庫がどこにあるかも確認します。著者の手元の残部と、流通先の残部を分けた記録が役立ちます。
戻った本の状態や、再び販売に使えるかも確認事項です。引き取りの方法、費用、保管の条件は契約によって確かめます。委託配本の一般的な流れは自費出版ガイドの流通解説も参照してください。
売上精算は実売と定価を基準に確認する
運営会社の売上精算は6ヶ月ごとです。支払額は実売部数×定価の50%で、5,000円未満は繰り越されます。本が売れた直後に、その都度著者へ入金される仕組みではありません。制作費の支払いとは分けて資金を準備します。
精算書では、対象となる期間、作品名、実売部数、計算の基準を照合します。著者自身がイベントなどで販売した本は、流通分の報告と分けて管理します。返品を反映する時期や精算書の読み方に不明点があれば、担当者へ確認してください。
受け取った金額を、そのまま出版全体の利益と考えないことも大切です。編集・製本などの制作費や、自分で行った紹介活動の支出があります。税務上の扱いを判断する必要がある場合は、記録を揃えて税務の専門家や所管機関へ相談します。
流通保障の終了後も作品をどう届けるか考える
運営会社の流通保障は初版後2年です。保障が指す取り扱いの範囲を確かめ、店頭陳列や実売の約束と混同しないようにします。期間の終了前に、残部の確認、取り扱いの継続、引き取りについて相談する段取りを決めておきましょう。
引き取る場合は、置き場所だけでなく、今後配る相手や販売の機会を考えます。電子書籍などを併用するなら、紙版の取り扱いとの関係も確認します。まずは読者に案内したい購入経路を決め、その経路に必要な流通コースと残部の扱いを相談してください。
